アルゲリッチとSBYO
シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ(SBYO)日本公演を1ヵ月後に控えて、これまでを振り返ってみたいと思います。
このプロジェクトの最初のきっかけを与えてくれた人はマルタ・アルゲリッチさんです。
「一流アーチストの演奏を音響の良いホールで聴衆に提供すること、それだけが音楽関係者の仕事ではない」と感じている人々は多いと思います。コンサートホールで安らぎに満ちた音楽が流れている一方、学校で普通のおとなしい優等生が傷害事件を起こす現象が顕著になり始めたのはちょうど10年くらい前からです。
音楽がこの問題にどう係われるかということを相談した相手がマルタ・アルゲリッチさんでした(放射線4参照)。音楽には犯罪を防ぐ力を宿しており、音楽に深く係わる人は他人を傷つけなくなる(Music Against Crime)、というコンセプトのもとで日本の学校や施設を訪問してきました。
そんな時に出会ったのが、2001年にTBSが深夜に放送したCBSドキュメント(60minutes)でした。ベネズエラの子供のオーケストラを紹介したこのビデオをアルゲリッチさんと一緒に見て、Music Against Crime を組織的に実践している人がベネズエラにいることがわかったのです。
そしてアルゲリッチさんは2005年9月ブエノス・アイレスでグスターボ・ドゥダメル指揮のSBYOと共演し、エル・システマ(FESNOJIV)の創設者アブレウ博士(放射線1、24参照)と出会ったのです。
その2週間後、世界文化賞を受賞するために東京に訪問した彼女は、「SBYOとの共演が日本で実現できるのなら何を犠牲にしても良い」と言う位このオーケストラのファンとなっていました。1ヶ月後、私はベネズエラの首都カラカスに向かいました。
したがってSBYOプロジェクトはアルゲリッチプロジェクトでもあるのです。
(佐藤正治=日本・ベネズエラ音楽交流支援委員会 事務局長)
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コメント
2006年に在欧の知人から是非聴くようにと言われ聴いたベートーヴェン、歳と共に増えつつある心の中のコレステロールを洗い流してくれるような演奏に久しぶりの感動を覚えました。
昔ある人が「プロの技術でアマチュアの心を持った音楽家が理想ですが、実際には反対の人たちが多いですね。」と言われ同意したことがありますが、彼らの演奏はまさにその理想を具現化したもののように思いました。
その彼らの演奏を生で、しかも広島で聴くことが出来るなんて、ありがとうございました。
演奏会後このブログを知り、随分はやくから
動いていらしたこと、きっかけがアルゲリチ
さんだったこと、また今後にむけて動き始めていらっしゃること等とても興味深く拝見しました。これからもこのプロジェクトの発展とともにこのブログ楽しみにしています。
時節柄ご自愛の上良いお年をお迎えください。
P.S.
小曽根真との共演、日本でも期待してます。
何故広島ではブルゾン着なかったんですかね。
投稿: whykk | 2008年12月25日 (木) 11時17分
お返事が遅くなりまして、大変失礼いたしました。2月20日のNHKTV「芸術劇場」はご覧になりましたか?
4月4日にはドキュメンタリーの放送をNHKハイビジョンで予定しております。
広島でブルゾンを着用しなかったのは、コンサート前に原爆資料館を全員が見学したことの影響を受けたせいのようです。
エル・システマを日本に導入できるかどうかの検討が、当委員会の次のテーマでございます。
佐藤正治
投稿: 日本・ベネズエラ音楽交流支援委員会 | 2009年2月25日 (水) 16時36分